火災保険とは?!火災の補償だけじゃないんです!

保険知識

こんにちは!おつむです。

今回の記事では、火災保険を解説します!

家の売買や賃貸契約のときによく聞く「火災保険」。不動産屋オススメの火災保険にそのまま加入した。そんな経験はありませんか?火災保険って、実は火災だけじゃないんです!この記事を一読していただき、「火災保険」をしっかり学んでいただけると嬉しいです!

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火災保険とは

火災保険とはどんな保険?

火災保険は損害保険の一種で、火災や落雷、台風等の風水害や物体の衝突等によって生じた建物と家財の損害を補償する保険です。
建物とは建物本体や門・塀・物置などのことを指し、家財とは建物の中にある家具や衣服などのことを指します。

自宅もしくは隣家で出火が発生し、建物や家財が損害を受けた場合、様々な経済的損失を受けることになります。家を建て直したり、家具をそろえ直したりするには、かなりの費用がかかってくるでしょう。また、火災以外にも、台風や洪水等と様々なリスクが考えられます。
火災保険は、そのようなリスクを経済的にカバーしてくれる「住まいの保険」ともいえるでしょう。我々が日々安心して過ごすために、欠かすことのできない“いざというときの備え”です。

保険の対象は「建物」と「家財」と「建物+家財」

「保険の対象」とは、補償が適用される対象のことを指します。

火災保険では、その保険の対象を①建物のみ、②家財のみ、③建物+家財の3つの中から選択します。
火災保険の「保険の対象」注意点は、保険の対象を建物のみにした場合、家財が損害を受けたとしても補償を受けられないことです。したがって、家財が補償対象となるのは、保険の対象に家財が含まれている場合のみですので気を付けてください。個人的には、家財を保険の対象に含めるのをオススメします。なぜなら、建物よりも家財の方が圧倒的に事故による保険金請求数が多い(=リスクが高い)からです。

また、賃貸にお住いの方は、「家財のみ」で大丈夫です。
なぜなら、建物の補償は大家さん(=所有者)が加入しているからです。
なお、賃貸している人は、「家財」の補償に加えて「借家人賠償責任保険」にも加入しておきましょう。この保険は、賃貸している間に大家さんの建物に自分で損害を与えてしまった場合の賠償責任(=弁償)を補償するものです。中には、「借家人賠償責任保険」に加入していないと家を借りられないケースもあります。(この保険は火災保険の特約として簡単に付帯できます!)

火災だけじゃない! 火災保険の補償内容と補償範囲

火災保険の補償範囲は、「火災保険」という名称から、その補償範囲は火災のみに限定されているイメージがあるかもしれません。しかし、実は火災以外にも落雷や風水災などの自然災害、あるいは盗難・破損・爆発などによる被害も補償範囲に含まれています。

以下、代表的な補償内容とその具体例です。

【火災保険の補償範囲】
●火災

例:火災により住宅が燃えてしまった等
●落雷
例:雷が落ちて家電製品がショートした等
●破裂・爆発
例:漏れたガスに引火して爆発が発生した等
●風災・雹災・雪災
例:強風で窓ガラスが割れた、割れた窓ガラスから雨が吹き込み家電製品が使えなくなった等
●水濡れ
例:給排水設備の故障により部屋が水浸しになった、マンション上階からの水漏れで部屋が水浸しになった等
●水災
例:大雨で床上浸水してしまった等
●盗難
例:泥棒に鍵や窓ガラスを壊された、泥棒に現金や家電製品を盗まれた等
●騒擾・集団行為等にともなう暴力行為
例:労働争議に巻き込まれて家を壊された等
●建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
例:家に車で突っ込まれた、飛んできた野球ボールに窓ガラスを割られた等

このように火災保険は、保険会社や商品によって若干の違いがあるとはいえ、補償範囲が非常に幅広くなっています。また、補償の範囲を自分で選択してカスタマイズ(※)することができるため、自身の住まいにあった補償範囲を選択してください。
(※)いくつかのプランから自分で選択することが多いです。

なお、火災保険では地震による損害は補償の対象外となっているので、ご注意ください。地震やそれに伴う津波・噴火などで建物や家財に損害が生じたとしても、火災保険では補償の対象になりません。
地震リスクに備えるには、地震保険に加入する必要があります。地震保険は火災保険とセットでしか加入できませんので、ご注意ください。(地震保険のみでは契約できません。)

火災リスクから考える火災保険の必要性

ここまで、火災保険とはどんな保険なのか解説しました。先述した通り、火災保険は火災などで損害が出たときに、その経済的なダメージをカバーしてくれます。
この章では、火災保険のメイン補償である火災リスクに焦点を当てつつ、火災保険がなぜ必要なのか解説します。

火災事故の現状

まず今日における火災事故の現状を確認しましょう。

総務省の統計によると、平成30年の総出火件数は3万7,981件で、単純計算で1日につき104件の火災が起こっていることになります。この件数には山火事や車両火災なども含まれていますが、このうち建物火災の件数は2万764件と半数以上を占めています。この記事の執筆時点で日本全国の世帯数は約5,853万世帯となっているので、火事に見舞われる確率は0.04%以下であると言えます。

このデータから、「ほとんど火事に遭うことがないのなら火災保険なんて必要ないのでは?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、それでも基本的に火災保険には加入しておいたほうが良いと言えます。その理由は、たとえ火事に遭う確率がわずかであったとしても、火災にともなう経済的なダメージは極めて大きく、火災保険がないと生活そのものが破綻してしまう恐れがあるからです。

それでは具体的に火災リスクとは、どのようなものなのでしょうか。
それは大きく分けると、①自分の家が出火元で火災を起こしたケース、②周りの火災に巻き込まれたケースがあります。それぞれ具体的にどんなリスクなのかを理解し、火災保険の必要性について考えていきましょう。

リスクその①~自分の家が出火元で火災を起こしたケース~

まず火事で損害を被るシチェエーションとしてイメージしやすいのは、自分の家が出火元になっているケースです。

その場合に想定される最も恐ろしいリスクは、自分や大切な家族の命が失われてしまうことですが、建物や家財の損害による経済的なダメージも決して見過ごせません。火事に遭えば、建物そのものや、家具・家電・衣服など身の回りの家財が大きな被害を受けるでしょう。生活再建のためには、家を建て直したり、家財を買い直したりしなければなりません。それには多くの費用が必要になります。さらに、燃え残った家の解体・片付けの費用、家を再建している間の仮住まいの家賃など、他にもお金がかかることは多くなりそうです。

こうして具体的に火災による被害について考えていくと、その経済的なリスクが非常に恐ろしいものだとご理解いただけるのではないかと思います。火災保険は、そうした私たちの生活を脅かすリスクをカバーしてくれる心強い保険だと言えます。

リスクその②~周りの火災に巻き込まれたケース

2つ目のリスクとして、周りの火災に巻き込まれて火事の被害に遭うケースについて見ていきましょう。

火災のリスクは、自分が火事を起こさなければ安心というわけではありません。いくら自分が気をつけていても、近隣のもらい火事があり得えます。「え?その場合は相手からの損害賠償があるから経済的には困らないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そうではないのです。

その理由は、「失火責任法」という法律にあります。この法律の定めにより、日本では他人の家の火事が燃え移ったことで自分の建物や家財に損害が生じても、その相手に故意や重大な過失がなければ賠償責任を求めることはできないことになっています。

理不尽に感じますが、近隣の火事に巻き込まれて自分の建物や家財が被害を受けたとしても、その経済的なダメージの補てんとして損害賠償を当てにすることはできません。つまり、もらい火事が原因であっても、建物の建て直し・家財の買い直しをするときの費用は、自分自身で負担する必要があるということです。

そのようなリスクをカバーする意味でも、火災保険は大きな力を発揮します。万が一、もらい火事に巻き込まれてしまった場合の備えとしても、火災保険の必要性は非常に高いと言えそうです。

まとめ:火災保険は大事な住まいを守る保険

いかがでしたか?
ここでは、火災保険の概要として、

  • 火災保険とは「火災や風水害などによって生じた建物や家財の損害を補償するための保険」
  • 火災保険の「保険の対象」は、「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」。この3つの中から自分の生活状況に合わせて保険の対象を設定する必要がある
  • 火災保険の補償範囲は、火災だけではなく、さまざまなものが含まれている
  • 火災保険は地震やそれを原因とした火災などによる損害は補償の対象にならない。地震のリスクに備えるためには地震保険が必要
  • 火災保険は必要だと考えるべき。火事に遭ったときの経済的ダメージが大きい点や、「失火責任法」の定めにより隣家の火事に巻き込まれて被害を受けたとしても損害を賠償してもらえない点から、加入の必要性はおおいにある

などについてお話をしていきました。

火災保険は、住まいを守っていくうえで大事な保険。火災に遭う確率は小さいのですが、万が一のときのリスクは非常に大きいものです。